整形外科疾患シリーズ~腱板炎~【今日のお題 keiトレーナールーム】
2022/11/22
No182 整形外科疾患~腱板炎~
今朝はこの辺り(向日市・長岡京市)でも「霧」がすごかったです!
この時期は亀岡などではよくあることですが、このあたりで霧が発生することは珍しいですね。
向日市に住んで約7年ですが、これだけの霧は2回目です(^^;
さて今日のお題は
「腱板炎」
です。
これは肩のケガです。
腱板とは正式には
「肩の回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」
です。
インナーマッスルって聞いたことはありますか(・・?
腱板は英語にすると「インナーマッスル」になります。
筋肉は表面を覆っている大きな筋肉=アウターマッスル
内部にあり、関節の安定を保っている筋肉=インナーマッスル
に分けられます。
たまに
肩板(けんばん)と書く人がいますが、これは間違いです(^^ゞ
肩甲骨(けんこうこつ)などで「肩」を「けん」と読むので、間違う人がいます。
正しくはアキレス腱などに使う
「腱」
です♪
肩に存在する腱板は4つの筋肉で構成されています。
棘上筋(きょくじょうきん)
棘下筋(きょっかきん)
小円筋(しょうえんきん)
肩甲下筋(けんこうかきん)
の4つです(^^)
これは右肩を後ろから見た図になります。
肩甲骨から上腕骨に向けて4つの筋肉が走行しています。
これら4つの筋肉を合わせて
「腱板」
と呼んでいます♪
棘上筋は「上」から
棘下筋と小円筋は「後ろ」から
肩甲下筋は「前」から
の走行です。
肩甲下筋は分かりにくいと思います(>_<)
肩甲骨と肋骨の間にあるので…
探すと分かりやすい図がありました♪
右肩の図になります。
肩甲下筋の前には本来「肋骨」が存在しますが、分かりやすいように無くしてあります。
この4つの筋肉(腱板)が関節を保持してくれています。
ちなみにこの図にはありませんが(わかりやすいように無くしてあります)小円筋のすぐ下に「大円筋」という筋肉があります。
小円筋と同じ場所をスタートしていますが、ゴールが違います。
少し難しいですが、
小円筋は上腕骨の大結節に付着し、肩の外旋の作用があります。
大円筋は上腕骨の小結節稜に付着し、肩の内旋の作用があります。
名前が「大」と「小」と似ていますが、作用が違いますし、なにより大円筋は「腱板」には含まれません!
トレーナーの試験や国家試験などでよく出る問題です(^^;
「下記の中から腱板に含まれない筋肉はどれか?」
みたいな問題ですね♪
そして腱板炎ですが、原因は
「不明」
とされています。
「これといった原因」
がないんですね(>_<)
これは腱板炎に限ったことではありません!
「〇〇炎」
と名つくケガの多くは「原因不明」とされています。
(例:アキレス腱炎 腱鞘炎 上腕二頭筋腱炎 足底筋膜炎 などなど)
しかしこれら「炎」のつくケガの多くは
「その場所に負担がかかっているから、炎症が起こる」
です。
例えば足首の捻挫であれば
「相手の足を踏んだ」
「ジャンプの着地の時にひねった」
「切り返しの時にひねった」
など
「きっかけ」
が存在し、それが「原因」とされます。
〇〇炎は普段の日常生活で、その場所に負担がかかり、徐々に痛くなり…
そして爆発する(>_<)
ということが多いです。
だから病院などに行っても
「あきらかな原因は不明」
とされるんですね(^^;
同じ腱板でも
「腱板炎」
「腱板損傷」
「腱板断裂」
があります。
腱板炎は原因はありませんが、「腱板損傷・腱板断裂」は必ず原因があります。
体育の野球で普段ボールをおもいっきり投げないのに、投げた
久しぶりの草野球でおもいっきり投げた
河原で子どもと遊んでいて、拾った石を投げた
などなど…
このように腱板に普段かからない力が入ったときに
「損傷、もしくは断裂」
します(>_<)
「炎」と「損傷・断裂」の違いですね(^^;
断裂したら激痛なので、すぐに分かると思います。
腱板炎と損傷に関しては検査法があります。
「ペインフルアーク」
といいます。
これは立った状態で腕を真横にあげます。
健康体であれば0→180度動きます。
これが腱板を痛めていたら60度~120度の間で痛くなります(>_<)
腕を真横に挙げることを「外転(がいてん)」といいます。
腱板を痛めていたら、目安ですがこの60~120度の間で痛くなります。
肩はこの他にも色々な検査法がありますが、文章で伝えるのは難しくなるので、ここでは「ペインフルアーク」のみにしておきます(^^;
このペインフルアークで痛みがあっても必ず「腱板炎」とはなりません。
あくまで現場レベルの「評価」であって、「断定・診断」ではありませんから。
きっかけがない(原因不明)の場合、「腱板」を痛めていることが多いです。
肩はその他の関節と違い、複雑な動きをします。
そのため肩が痛い=腱板を痛めている
にはならないですが、パターンとして腱板を痛めていることが多いですね。
肩関節周囲炎=四十肩
も原因は分かっていませんが、腱板の老化からくる痛みが有力とされていますから(>_<)
長くなりましたm(__)m
最後になります。
腱板炎の中には突然激痛が起きることがあります。
「石灰沈着性腱板炎」
といいます。
肩関節の中に「石灰」が出来てしまい、肩を動かすと激痛が走ります(>_<)
これは様々な治療法がありますが、私たちのような整骨院や鍼灸院では治せません(@_@;)
整形外科へ行き、注射や薬でアプローチします。
9割近くの方はこの方法で痛みが軽減されます♪
手術には基本的にはなりません(^^)
注射や薬で激痛が引き、動かすことはできるけどまだ痛い…
こうなれば私たちのような治療院でも対応可能になります♪
今日は肩関節の腱板炎について書きました。
肩のケガは本当に難しいです(>_<)
動きが複雑ですから(^^;
今まで色々な整形外科疾患を書いてきましたが、腱板炎はまだ書いていなかったので書いてみました♪
ではまた次回のブログでお会いしましょう(^^)
keiトレーナールーム 活心はりきゅう堂 長谷川敬祐