整形外科疾患シリーズ~前十字靭帯損傷・断裂~【今日のお題 keiトレーナールーム】
2022/05/27
No120 整形外科疾患シリーズ~前十字靭帯損傷・断裂~
昨夜の雨で、ジメっとするか?
と思いましたが、カラッした気候で気持ちがいいです♪
今日は子ども(4歳)が珍しく4時30分に起きまして…
久しぶりに早朝ドライブに行ってきました(笑)
私は朝は割と強いほうなんです(^^ゞ
さて今日のお題
「前十字靭帯損傷・断裂」
ですが…
皆さんはこの靱帯の名前を聞いたことがありますか?(・・?
学生時代にスポーツをしていた方なら聞いたことがあるかもしれませんね。
これは「膝」の中にある靱帯です。
膝には大きく分けると4つの靱帯があります。
・前十字靭帯(ぜんじゅうじ じんたい)
・後十字靭帯(こうじゅうじ じんたい)
・内側側副靱帯(ないそく そくふく じんたい)
・外側側副靱帯(がいそく そくふく じんたい)
です。
これは「右膝」を正面から見た画像です。
表記はありませんが、
向かって右側の少し長い靱帯が「内側側副靱帯」です。
向かって左側の少し短い靱帯が「外側側副靱帯」です。
これらの靱帯は「膝」の「内側」と「外側」にあり、それぞれが膝の安定に携わっています。
前十字靭帯と後十字靭帯は「膝の中」にあり、この画像では少し見にくいですが、
前十字靭帯は「後ろから前に」
後十字靭帯は「前から後ろに」
走行しています。
これは横から見た画像です。
大腿骨(太ももの骨)に対して、脛骨(すねの骨)が「前方にずれる」ことを防いでいるのが「前十字靭帯」です。
逆に大腿骨に対して、脛骨が「後方にずれる」ことを防いでいるのが「後十字靭帯」です。
簡単な解剖学ですが、ここまではなんとなくでいいので分かりますか(・・?
前十字靭帯損傷は主に球技でみられる疾患です。
サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビー、アメリカンフットボール、ハンドボール、テニス、バドミントンなどなど…
これらのスポーツに共通することは
「ジャンプ動作」
「切り返し動作」
があることです。
逆に考えると、この2つがない競技は前十字靭帯を損傷する危険性はほぼありません。
(水泳、ゴルフ、マラソンなど)
前十字靭帯損傷はスポーツ現場では決して珍しくないケガですが、かなりの重症になります(>_<)
ほぼ100%、手術をしなければいけません。
そして競技、性別などにもよりますが、競技復帰には
「6~8か月」
と教科書に記載されています(@_@;)
中にはプロ選手で「5ヶ月で復帰した」というのも聞いたことがありますが、そんな人は「稀」です。
プロ選手なので、復帰のためだけに「24時間」使えますからね。
一般の社会人や学生にはとても無理です。
性別では男性よりも女性のほうが受傷しやすいです(>_<)
それは女性のほうが男性に比べて
・筋力が少ない
・関節が柔らかい
の2点が挙げられます。
復帰に関しても筋力のある男性のほうが、早く復帰します。
女性で約1年かかった。
という選手を何人も知っています。
ではかなりの大ケガに分類される前十字靭帯損傷ですが、どうやって受傷するのか?(・・?
大きく分けると
・接触型
・非接触型
があります。
「ケガをする」
と聞くと多くの場合は
「相手選手とぶつかった」
「相手選手のファールで倒された」
など、接触型を連想しますが…
実は前十字靭帯は「非接触型」のほうが受傷率が高いです(>_<)
それは膝の構造状の問題ですが、それを詳しく書くと難しい話しになるので、ここではやめておきます(^^;
非接触型で受傷するときは
「過伸展(かしんてん)」
「knee-in-toe-out(ニーイン・トーアウト)」
の2つです。
過伸展とは膝が逆方向に曲がることです。
こんな感じで、膝が伸び切る?曲がってはいけない方向に曲がる?ことを
「過伸展」
といいます。
(この画像は関節が柔らかい方の膝なので、過伸展ではなく「反張膝」になります。反張膝に関してはスルーしてくださいm(__)m)
次に
「knee-in-toe-out」ですが、これは
「膝が内側に入り、つま先が外側を向く」
ことを指します。
この画像は分かりやすくなっていますが、これが「knee-in-toe-out」です。
よくスクワットなどをするときに
「つま先に対して、膝が前に出ないように」
「つま先と膝が同じ方向をむくように」
というのを聞いたことがありませんか??
スクワットで前十字靭帯を損傷することはありませんが、よくないフォームでトレーニングをしてしまうと、そのフォームが身についてしまい、前十字靭帯損傷の危険度が挙がってしまいます(>_<)
なのでトレーニングなどをするときは「フォーム」が大切なんですね(^^;
少し長くなりました(>_<)
あと少しで終わるので、もう少しお付き合いしてください。
前十字靭帯は「非接触型」が多い
と書きました。
もちろん相手選手との接触で受傷することもありますが、そんなときは「内側側副靱帯」や「半月板」を受傷するほうが多いです(>_<)
それらに関してはまた後日の整形外科疾患シリーズで書きますね♪
前十字靭帯損傷は決して珍しくない、スポーツ現場ではよくあるケガですが…
復帰にかかる時間が極めて長いです(>_<)
あくまで教科書などに書いてある期間ですが
内側側副靱帯…約1~2か月
アキレス腱断裂…約4~5ヶ月
肩関節脱臼…3~5ヶ月
これらはスポーツ現場で起きやすいケガの中でも重症かな?と思われるケガたちです。
それでも6ヶ月以内には復帰できます。
しかし前十字靭帯だけは早くて6ヶ月です(>_<)
だから受傷したくないケガNo1と言われています。
リハビリも相当キツイですから(@_@;)
最後になります。
動画がないかな?
とYouTubeを探していたらありました。
Gengenさん、お借りします。
これはバスケットボールで、前十字靭帯損傷の瞬間をとらえた貴重な動画になります。
https://www.youtube.com/watch?v=8_DH5XxAYHk
見て分かりましたか?
シュートに行こう!
と思って踏み切り、左足で着地した瞬間に「過伸展」しています(>_<)
「非接触型」で、「過伸展」です。
なんてことない普通のプレーですが、前十字靭帯を損傷する最も「あるある」な場面です。
今日は長くなりました(>_<)
いつかは書こうと思っていた前十字靭帯ですが、絶対に長くなるので…
よし!!!
と気合を入れないと書けなかったんです(^^;
前十字靭帯は予防できます。
接触型は、相手選手がいるわけですから予防は難しいです。
しかし非接触型は「体の使い方」と「筋力」で予防ができます♪
そのあたりもタイミングがあれば紹介しますね(^^)
長いブログにお付き合い頂き、ありがとうございますm(__)m
ではまた次回のブログでお会いしましょう(^^)
keiトレーナールーム 活心はりきゅう堂 長谷川敬祐