東洋医学の歴史Ⅱ 【今日のお題 活心はりきゅう堂】
2022/08/17
No149 東洋医学の歴史Ⅱ
昨日は3年ぶりに「五山の送り火」がありました♪
京都の夏の風物詩ですね(^^)
そしてお盆休みが終わり、今日から仕事再開!
という方が多いのではないでしょうか??
休みは一瞬で終わる…
社会人あるあるかもしれませんね(^^;
さて今日は前回の
「東洋医学の歴史」の続きです。
前回は古代中国で生まれた鍼灸が、奈良時代に仏教の伝来とともに輸入され、平安時代には宮内庁の侍医にまでなっていた…
というところまで書きました♪
前回のブログをまだ読んでいない方は、先にそちらをご覧ください♪
前回のブログ→https://kei-kasshin-2014.space/blog/detail/20220815103244/
今日はその続きです♪
鎌倉時代になり、より一層中国医学の影響を受けました。
が、天皇の侍医であった
「御薗 意斎(みその いさい)」
が日本独自の鍼灸技術を開発します!
それが
「打鍼術(だしんじゅつ)」
と呼ばれるものです。
これが打鍼術です。
木槌で「コンコン」と叩きます。
叩いているものは「鍼」ではありません。
金属の棒のようなものです(鍉鍼=ていしん)
この鍉鍼をお腹の上でコンコンと軽く叩きます。
お腹には現代の「足つぼマッサージ」のような体の反応が出る!
という考え方があります。
夢分流(むぶんりゅう)
といいます。
基本は中国医学なので、必ず「臓腑」が出てきます。
その臓腑へのアプローチを「ツボ」ではなく、「お腹の反応」で治していく方法です。
実は私の鍼灸の師匠である谷本先生は今でもこの「夢分流 打鍼術」をしています。
何度もその治療風景を見ました。
私はできませんが…(^^;
そして江戸時代になり、ここで一気に日本独自の鍼文化が生まれます。
それは鎖国により、海外の文化が入ってこなかったからです。
第五代将軍 徳川綱吉の時代に「杉山 和一(すぎやま わいち)」という人物が
「管針法(かんしんほう)」
という技法を開発します。
そう!
現代の日本で使われている鍼の方法です。
日本の鍼は「鍼管(しんかん)」と呼ばれる「筒」に鍼を入れます。
鍼に対して鍼管は少し短く作られていいます。
この出ている部分を指先で「トントン」と叩きます。
つまり現代に使われている鍼の方法は江戸時代に編み出された方法だったのです(^^)
ちなみに中国や韓国では「鍼管」を使いません。
直接、皮膚に鍼を入れます(^^;
この方法も上手な方がやればほとんど痛くありません♪
私もできます。
しかしその場合はどうしても「太い鍼」を使わないといけません(>_<)
そうなると、必然的に「痛くなりやすい」です。
これは本当かどうか分かりませんが
「日本人は大陸の人間と比べて、敏感で繊細だから「鍼管法」が開発された」
と言われています(^^ゞ
また江戸時代には「蘭学」が日本に入ってきており、経絡を否定する派閥もあったとか。
そして鍼灸と同じように漢方も発展していきます。
鍼灸も漢方も考え方は同じです♪
四診(ししん)を使い、患者さんの状態を知ります。
その治療法が
「鍼灸=ツボ」を使うか
「漢方=薬」を使うか
の違いだけです。
四診については以前ブログに書いたことがあるので、まだ読んでいない方はぜひそちらをご覧ください。
四診のブログ→https://kei-kasshin-2014.space/blog/detail/20220618100221/
ちなみに江戸時代に「華岡青洲(はなおか せいしゅう)」という人物が世界初の全身麻酔による外科手術を成功させました♪
そして時代は明治となります。
明治になり、西洋文化が一気に日本を「西洋化」させました。
鍼灸もその影響をうけ、明治政府は今までは
医療=鍼灸・漢方
だったのが、
医療=西洋の医学
に置き換え、鍼灸・漢方を弾圧していきます。
明治から大正にかけては「細々」と鍼灸・漢方が伝承されました。
そして昭和初期に漢方を見直そう!
という動きがありました(1910年 医界の鉄槌 といいます)
同時期に「柳谷 素霊(やなぎや それい)という東京鍼灸専門学校の校長が
「古典にかえれ」
と提唱し、鍼灸・漢方を復興させることに尽力します。
その他にも岡部 素道、澤田 健、井上 恵理…などの人物が声をあげて復興に貢献しました。
この時に「経絡治療学会」が生まれます(現在にもあります)
1945年(昭和20年)終戦です。
終戦後、日本を占領したGHQは
「鍼灸は野蛮で未開な治療である」
として鍼灸を禁止にしました(>_<)
しかし、日本鍼灸学会会長の石川 日出鶴丸(いしかわ ひでつるまる)医師が
「鍼灸には科学的根拠がある!」
と提唱して、鍼灸禁止令を撤回させました♪
1972年に米のニクソン大統領が訪中するまでは、冷戦下で中国と西側諸国の交流はありませんでした。
この時に取材に行ったニューヨークタイムズの記者が中国で「鍼麻酔」の手術を受け、それを記事にしました。
その影響を受け、世界中で「鍼麻酔ブーム」が起こりました♪
また毛沢東が「中医師」という中国伝統医学の医師と、西洋医学の医師を対等にする!
と認めました。
ここから「中西医結合(ちゅうせいい けつごう)」という理念が生まれました。
これは中国伝統医学と西洋医学を結合して、新しい医学を作ろうという運動です。
そんなこんなで現在に至ります(^^)
私は西洋的な考えの治療と、東洋医学的な考えの治療、両方ともできますが…
現代の鍼灸の多くは「西洋医学」の鍼が多いと思います。
それは単純に
「簡単だから」
です。
例えば肩こりがあったとしたら、固まっている筋肉に鍼をすれば楽になります。
これだけでいいのです。
しかし東洋医学の治療をしようとすれば四診に加えて、経絡を覚えなくてはいけません(>_<)
鍼の深さ、角度、お灸の数、そして何より症状によってツボを変えるので、ツボが分かっていないと東洋医学の治療はできません!
修行も必要です。
私は谷本先生について修行しましたから(^^ゞ
ちなみに谷本先生は
こんな感じのおっちゃんです(^^ゞ
今は兵庫県西宮で「はりきゅう和み座」という鍼灸院をされています。
いかがでしたか?(・・?
前回と今回で東洋医学の歴史を書きました。
まるで社会の授業のようでしたね(^^;
本当はまだまだありますが、これ以上書くと本当にマニアックになりすぎるので、簡単にまとめました♪
今はコンビニ・美容室と並んで整骨院・整体院が多いです。
治療法も本当に様々です。
例えが難しいですが、同じラーメン好きでも
「私は豚骨」
「私は醤油」
みたいな感じで好みが分かれると思います。
それと同じで整骨院や整体院でも自分に「合う・合わない」があります。
ご自分にあった治療院が見つかるといいですね(^^)
先日、お客さんから質問をもらいました。
「整骨院と接骨院のちがい」って何ですか?と。
これも以前ブログに書いたことがあるので、まだご覧になっていない方はぜひそちらをご覧ください♪
整骨院・接骨院・整体院の違い→https://kei-kasshin-2014.space/blog/detail/20220415084521/
お盆休み明けで体が仕事モードになっていない方もいらっしゃるでしょう(^^;
無理せず、仕事してください♪
ではまた次回のブログでお会いしましょう(^^)
keiトレーナールーム 活心はりきゅう堂 長谷川敬祐